昨日、上海発サンフランシスコ行きのUA858便が大きく遅れていました。定刻12時10分のフライトが16時00分になり、最終的に離陸したのは17時10分だったようです。
ちょうど僕が乗るフライトのゲートまでの途中に、UA858のゲート(D75)がありました。もう既にミールのクーポンが配られており、アメリカに帰るビジネスマンたちはクーポンを持ってレストランやバーガーキングに並びます。バーガーキングは突然のミールクーポンでの大量のオーダーにてんてこ舞い。それでも16時には出られるだろうという話で、乗客が再度ゲートに集まり始めていました。
ところが機材の不調で、さらに遅れる見込みとのこと。ああ、こりゃ大変だなぁ、、と思って傍らから眺めていたら、50歳台とみられるキャプテンがシップから降りてきて、ゲートのマイクを握って説明をはじめました。しかもとても丁寧に、おきている状況を説明します。ゲートのまわりはキャプテンの話を聞くために人だかりです。ただ、問題の内容、現時点での対応、今後の予想を順序だてて話す説明が伝えられると、聞いていた搭乗客は「仕方ないね」「もう少し待とう」といって、特に混乱が起きる様子もなく、しかもとても落ち着いて再度散っていきました。
トラブルの場合にはシップから離れにくい状況があるはずです。特にキャプテンがシップから離れることは、場合によっては望ましくないでしょう。日本の航空会社でキャプテンが出てきて説明をしているという様子は私の経験の範囲では今のところ見たことがありません。あえてキャプテンがマイクを握って直接話し、納得してもらうという判断は、まさにアメリカの航空会社らしいと感じました。グランドスタッフだけでは説得できなかった、優秀ではなかった、とは思いません(見ていないので分かりませんが、きっとそうでしょう)。むしろ、トップが直接伝えることの重要性を強く感じたのと同時に、搭乗客が納得している場をまさに後ろで見ていて、一人感動していました。