中国のタクシー予約アプリはこの1年であっという間に一般化し、さらに今年の年初には「アリババ」vs「テンセント」による奨励金合戦が繰り広げられ、裾野が一気に広がった感があります。1年前には都市部のタクシーでドライバーがアプリを立ち上げて予約を受けている様子を見るのはまだ物珍しく、上海で先に始まり、少しずつ北京でも増えてきたかなという感覚ですが、今やかなりの普及率。
これに関する記事を最初に書いたのがちょうど1年前。NNAに、タクシーの初乗り料金の上昇、タクシー運転手が待遇改善を求めている状況と共に、タクシーの予約アプリが出始めていることに触れました(中国でタクシー予約アプリが人気, 無料版のため一部のみ見ることができます)。ただ、実はこの記事の段階では中国当局も明確に規制を始める前。この後6月ぐらいになると、CCTVなどが報道の中で「高い追加予約料金を受け取ることは違法である」との内容で取り上げはじめ、その後北京市政府もこの件に関する規制を出すとの声明が出た結果、追加予約料金が上限無制限という状況は無くなりました。また、ユーザを集められなかったアプリは、事実上市場から消えました。(追加予約料金の上限無制限は仕方ないことではあるものの、個人的には、仕事のためにいくら払ってもどうしても移動したいという時はあるわけで、残しておいて欲しかったですね...)
実はこの6月・7月のタイミングで、各地の空港などにはいくつかのアプリの広告が掲載され始めており、「ああ、このアプリは残るのか」と分かるものもありました(潰されそうなアプリの広告が出る事は中国ではない。即ち、裏側できちんと話がついている、という意味です)。
ユーザからするとこの1年のタクシー市場の変化は劇的です。今までも電話でタクシー会社に予約は出来ましたが、結構適当。頼んだ時間に来ないことも何度も経験し、他のお客さんを乗せて行ってしまうこともあり。結局、仲良くなったドライバーさんの電話番号を聞いておき、早朝でタクシーがつかまりにくい場合にはその人に直接お願いするという「技」を身につけていくことになります。その点で、流しのタクシーを以前と比べてかなりスムースに捕まえることができるようになり、ストレスは確実に減った気がします。
昨年の記事以降変化があった状況など、年初のタクシーアプリの状況は当社のレポートにもまとめてありますのでご覧ください(緊急レポート!「急成長する中国のタクシー配車アプリ」)