日中の温度計のひとつは日本映画の輸出件数
日本と中国の温度計として、日本映画の中国での上映数(許可数)を挙げています。2012年9月から2015年前半の日中の「氷河期」においては日本映画は一本も中国で上映されることはなく、しかしここのところ雪解けの状況が見られ始めています。
今月に入って新しいニュースとして飛び込んできたのは「ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年」の中国での上映。今日現在ではまだ上映スケジュールは中国側は公表していませんが、報道等では今夏とされています。既に上映された「ボルト- -NARUTO THE MOVIE-」、「聖闘士星矢Legend of Sanctuary」に続いてアニメ映画では今年3作め、これに実写映画である「ビリギャル」がありますので既に今年はここまでに4作品が決まったということになります。ビリギャルは2010年の「ノルウェイの森」以来の実写映画でしたが、そもそも中国の「映画バブル」が来てからは初の実写で、一作めに何が来るのか(すなわち何が許可されるのか)は注目してきました。ちなみにNARUTOは今年秋から中国の主要都市でライブスペクタル(演劇)のツアーが行われる予定です。
どうも今年はさらに続くらしい
ところで、私たちの聞くところによると、アニメ映画の輸入は今年はこの3本では終わらなさそうです。3本だけでも十分な実績ですから十分に評価できるところですが、どうやら中国当局が審査しているもの、あるいはほぼ審査は終わっているというものの中には「大砲」があと1-2本ぐらいありそうです。一方、永田町まわりからの話では、近々あるセレモニー的なイベントで花火が上がるのではないかという話題もチラホラと出てきています。
もうひとつは「秒速5センチメートル」の中国版公開のニュース。「秒速5センチメートル」は中国でもファンが多かったアニメのひとつでした。これはそのままの公開ではなく、中国で改めて制作した取り組み。映画の輸入にあたらないため本数の上限には影響しないと考えられます。今の中国での「映画バブル」のニーズを満たそうとした場合、日本の映画の輸入審査のプロセスを経てどうしてもタイムラグが発生してしまうほか、細かい点で中国側のニーズを満たしきれない場合もあるという事情も存在しているようです。昨年ごろから既に相当数のアニメのフォーマット・脚本シナリオが中国に持ち込まれていますが、さらに継続的に増えることが期待されています。
「秒速5センチメートル」、中国版が出たら、どのように描かれたのかぜひみてみたい。。