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VPNを毎回つなぎなおしたりするのは面倒だ!
中国に行くとFacebookやTwitter、Instagram、Gmailが使えないとお嘆きのあなた。もちろんWi-FiルータとVPNを組み合わせて使う方法はありますが、通信が安定しないとどうしてもブチブチ切れてしまいます。それに以前と比べて通るVPNプロトコルが明らかに少なくなってきている。日本の携帯を持ち込んでローミングで通信すればGreat Firewallは回避されるわけですがどうしても高い。
そういう方には、香港と中国の2つの電話番号を持てるSIMを買い、それを中国の中でローミング(あくまで香港ベースのSIMなので大陸の中ではローミング扱い)するという方法をお勧めします。この技は比較的よく知られている方法なので中国達人の方はお読み飛ばしください。P9とXperia F5122の話を書きたくて、あえて今回書いております。
何を買えば良いのか。
買うものは3つです。
- 中国のバンドに対応しているSIMフリーの携帯。
- 香港と中国の2つの電話番号が持てるSIMカード。
- そのカードで、中国のローミングパックをオンラインで買う。
まずSIMフリーの携帯をどれにするか
ひとつずつご説明します。まず買うべきSIMフリーの携帯。iPhone6sでもiPhone SEでも構いませんが、中国のAndroidプラットフォームにある怪しいのから真っ当そうなものまで色々とあるアプリを楽しむ(!?)ためにはAndroid携帯の方がよいかと。という理由もありますが、ま、コストの面からしてもAndroidで選択肢は豊富です。当社の社員は最近Huawei P9を買っていましたが、私はSony Xperia X Dual F5122。P9は海外での型番にはデュアルSIMがあるのでこちらがお勧め。私もF5122はデュアルSIMのものです。(まだ片方には何もいれていないけど)
SIMフリーの携帯だったら何でもいいかというと、それはキャリアのLTEのバンドによることを考える必要があるので少しだけご注意。私は中国移動香港(China Mobile Hong Kong)のSIMカードにしたので、中国移動のLTE(4G)の周波数にあうものを考慮する必要があります(中国移動の場合、TD-LTEでBand39/40/41がカバーされていればOK)。一点注意があるとすると中国移動の大陸の「3G」はTD-SCDMAという独自規格です。したがって、TD-SCDMAに対応していないF5122はLTEから3Gに落ちたときには繋がらない(めったに北京や上海も含めて都市部で移動する限りではないですが)ということの覚悟は必要です。私は気にしないことにしました。
なお、P9を買うならば中国移動のLTEを考慮するとEVA-L29かEVA-L19であることは必須。そしてなんといってもTD-SCDMAに対応。この2つの型番の違いはメモリ容量と、FDD-LTEと3Gのバンドの違い。予算の余裕があればEVA-L29の方がおすすめ。TD-SCDMAに対応するなんてさすが中国メーカー。
P9を買いたいなと思ったもののぱっと在庫が見つからず私はF5122にしていますが、最近は在庫が香港の通販系で豊富にあるようなので、予算に問題がないのであればP9のEVA-L29かL19にされることをおすすめします。(日本への配送も数日ぐらいで届きます)
無論、私はiPhoneだ、という方はiPhone6sのSIMフリーモデルでどうぞ!
SIMカード
別に中国移動にこだわる必要もありませんが、中国聯通香港も試した上で、ま、中国移動の方が中国国内のLTEのユーザが多い(ダントツ)から良いかなぐらいの感覚。これは日本にいてもAmazonで買えます(香港で買う値段と比べると倍ぐらいしますが、それは便利さを買ったと思いましょう)。香港のお友達がいるのならば香港から送ってもらってもよいですが、中国大陸の中国移動のお店では買えません。(Taobaoの上でなどでは売っています)
SIMのサイズは通常・マイクロ・ナノで切り取り可能です。ここだけ良く分かっていませんが、香港か中国にいなければ開通しないはずと思っていたところ、どうも日本で電源をいれたときに開通したような気もします(してないかもしれない。。すみませんきちんと覚えていないのです)。そのままだと日本にいてもデータローミングしてしまい、こっちは従量制課金になってしまうので、データローミングを切った状態にしてWiFi経由の通信だけにしておいたほうがよさそうです。
中国のローミングパックを買う。
まず、日本なりにいるうちにGoogle PlayからCMHK(中国移動香港)のアプリをダウンロードしておきましょう。CMHKで検索すれば出てきます。その上で中国で電源ON! APNの設定が必要なケースもあるとは思いますが、F5122の場合設定は不要でした(自動でいれてくれた)。そしてそのままデータローミングをONにすると中国で4G通信をこれまた従量制で通信してしまいます(香港がLocalなので、中国ではローミング扱い)。とりあえずデータローミングを切ったままどこかのWi-Fi環境下でCMHKのアプリを立ち上げ、
自分の香港の電話番号でログインし、My Accountに進み、
Available VASの中から「1GB 4G/3G China&HK Data 30-Day Package」というものを私はお買い上げ。とりあえず試したい人は200MB(30日で38ドル)、もっと使う人は2GBのプラン(30日で198ドル)でもよろしいかと。表記は香港ドルです。そしてここで注意! うちの社員は間違って「Local Data Package」を最初買っていました。でもこのLocalとは香港のことです。きちんとChina&HKのを選びましょう。
買うと、上のキャプチャのようにCurrent VASの一覧に出てきます。これでOK。データローミングを戻しましょう(上に書いたように、日本に戻ったときにはデータローミングはOFFにしましょう。ローミングに入っている状態であるためですが、最初に私は気づかずどんどん残高が減りました)。
わからないことはチャットで質問
アプリ内のチャット画面で中国移動香港のカスタマーサポートに質問できます。私は念のためChina&HKのデータパックがきちんと買えて有効になっているかを聞きたくて聞いたところすぐに反応きました:) チャージはPCのWebサイトでもアプリ内からでも可能。銀聯がなくともVISA/Masterでさくっと終わります。
この記事で言いたいこと。
率直なところ、中国出張が繰り返しあるよという方はWi-Fiルータ+VPNより断然ストレスから開放されると思います。Google系のサービスを使う上でも何の支障もないですし、テザリングすればPCの通信もできるし、中国用の電話番号も持つことができますので中国のアプリの認証なども出来ます。(たとえばコーヒーショップなどのWi-Fiの中には携帯電話番号がないとSMS認証できないものがあったり、ね)
ちなみに別に香港SIMである必要はなく、ローミングだけであればたとえばシンガポールのSingTelも安いローミングのデータパックを売っています。が、上記のとおり電話番号が手に入ること、カード自体の入手しやすさ、パスポートなどが不要で匿名のままで使える(いいのか中国的に)から考えれば、今のところはこうした香港と中国の両方の番号を持てるSIMをおすすめします。