先般、クララオンラインと富士通クラウドテクノロジーズ(ニフティクラウド)及び中国電信日本の共催で、中国のサイバーセキュリティ法に関する実務面のセミナーを開催しました。
6月1日のサイバーセキュリティ法の施行に向け、特に中国国内で提供を受けた個人情報の国外への持ち出し(越境移転)などについては重要なテーマが多い一方、日本国内では具体的なセミナー等が多くは開催されておらず、特に中国国内で事業展開をしている日本企業にとってはシステム面の対応をどのようにすべきか課題が多く残されています。
今回のセミナーでは、私からまず中国のサイバーセキュリティ法の公布までの約2年間の中国国内での議論や法制化に向けた背景などをご説明した後、現在パブコメ等が出始めている「ネットワーク機器やネットワークサービス等のセキュリティ審査」「越境移転に関するルール」等がどのように着地するのかという方向性についてお話しをしました。また、これらを踏まえて日本企業は現時点でどのようなアセスメントを行うべきか、対応策の候補にはどのようなものがあるかといった実務面でのご説明をしました。
一方、中国電信(China Telecom)の日本法人である中国電信日本の杜社長からは、中国電信自体のグローバルネットワークのご紹介をいただいたあと、クララオンラインとの業務提携を進めてきた中でどのようにネットワークサービス面で中国と日本との接続性を改善してきたかなどについてお話しをいただきました。
ここまで踏み込んだセミナーは日本ではまだ多くはみられず深度のある内容だったと自負しており、実際会場からの質疑も活発にいただくことができました。
6月の施行に向けて、複数回このようなセミナーを開催していく予定ですし、また恐らくは6月1日までには全ての弁法・実務手続きが明らかになることは間に合わないだろうと予測していることから、サイバーセキュリティ法に関連する実務は継続的にフォローアップをしていきたいと考えています。