初めての南苑空港
サマーダボスが終わり、木曜日夜に大連から北京に飛んできました。
今回のDestinationは、北京は北京でも初の「南苑」(北京南苑空港, ZBNY/NAY)。北京市内の北東部にある首都国際空港と違って市内中心部からみて南にある軍民共用の大変コンパクトな空港です。同じく南側にある大興区に新しい第二国際空港が建設中ですが、大興が出来ると南苑は民間用途はなくなる見込みです(大興は2018年に開港見込みでしたが、2019年7月が現在の予定です。そして閉鎖される可能性が従来は示唆されてましたが、どうも軍用で残すことになりそうです)。
その南苑、ベースにしているのは中国聨合航空(联航)だけで、737を中心に飛ばしています。人民解放軍が母体ですが、その後中国東方航空の100%子会社になり今はいわゆるLCC的な位置づけに。ミールやドリンクは全て有料ですが、その分チケットはお安く、本音をいえば中国の国内線で提供されるミールはあまり美味しいと私は感じられませんので、削られて安くなるならば喜んでです。
コンパクトで使いやすい
昨日は大連21:20発の予定が前便、前々便からの玉突きで1時間ぐらいの遅れ。
離陸さえすれば真っ直ぐ渤海を西に進み天津あたりで方角を変えるだけ、そして大して混んでいる航路・時間帯でもありません。ブロックタイムが1時間20分だった分、定刻からは30分ぐらいの遅れですみました。
南苑空港にはPBBはなくターミナルからそのまま降りる搭乗口がありますが、このフライトでは沖止め。バスでターミナルビルに降ろされた後、数十メートル先にはバゲージクレーム。バゲージクレームは2レーンあり、もうその5メートル先は出口。出たら50メートルぐらいでタクシー乗り場。普段の首都国際空港、特にT3(ターミナル3)と比べると、なんともまぁコンパクトで素晴らしい空港なこと。やや難点は公共交通機関が限られており、バスで西単や南駅などに出るかタクシーかということになります。23時を過ぎてましたがバスはありました。
着いて少し空港を見てからタクシーに乗り込んだのですが、南苑空港から東三環の三元橋エリアの宿までジャスト30分。タクシー乗り場では、近くではなく北京中心部に行く場合には別に待っている運転手さんがいるので、去哪里と聞かれたら、東三環!とか北四環!とか言って、その方面のタクシーの運転手さんを見つけていきます。
真っ直ぐ北に上がり四環をまわってきましたが、これぐらいならば首都空港でタクシー乗り場で延々と待って20分ぐらいで着くなんていうよりずっと速いかもしれません。ビバ南苑。
中国には空港等級というものがあります
ところで、中国には空港の等級というものがあります。「ああ南苑? 4Cだね!」、、、とは使いませんが、覚えておくとどれぐらいの規模の空港かが分かって「私は」便利です。皆様が便利かどうかはわかりません。
すごく簡単にいうと、滑走路の長さと、滑走路や誘導路などの設備がどれぐらいの大型機に対応しているか(翼の先端の先にさらに余裕が必要です)という二つの基準でついています。この基準は中国民用航空局(CAAC)による「民用机场飞行区技术标准」(民用空港飛行区技術標準)で定められており、下の図のようになっています。数字と漢字なので中国語が読めない方でもイメージしていだたけるのではないかと。
4FというとA380がいける、4EというとB747-8やB747-400、A340あたりの四発機がいける、という感じでイメージしてください。実際には滑走路の長さや幅だけでどの機体が降りれるというわけではありませんが。詳しく知りたい方はCAACのこのPDF(民用空港飛行区技術標準)を見ていただくと良いです。これを見てから中国の空港に行くと空港が100倍楽しくなりますよ! (私は。)
航空需要の増加に耐えられるのか
では、どれぐらい「4F」があるかというと、香港をいれて18(香港をいれて桃園をいれないのは何も言わずにじっとしています)、そしてあと12の空港が拡張または建設中だということです。知らなかった...。
では4Eや4Cはというと、もう「4」がつく空港はありすぎて数を計算しているのが大変面倒になり、世界のWikipedia、中国の百度百科、ということで百度百科に書いてある数字をコピペします。それによると「4E级机场25个、4D级机场35个、4C级机场58个」だそうです。4Cあたりになると行ったことがある空港は僅か一つしかありません(延吉)。
2030年までには世界最大の航空市場となる中国。様々な予測が複数の角度から出ており、それぞれの数字はかけ離れいてますが、あと20年で約3000機必要だという話があったり約6000機が必要だといっていたりします(Boeingの予測など)。もっとも、大きな方向性には間違いはありません。国土の広さ、人の多さからすれば、航空機はさらに日常的に使われることになります。この10年でも十分に中国は変化しました。次の10年ではさらに劇的な変化でしょう。しかし、こうした予測をもとに考慮したとき、中国の管制システムや航路・空域、セパレーション、そもそもパイロットの数などが追いつくのかという課題が指摘されています。
大きな空港も決して嫌いではありませんが、出張で飛ぶ身としては着陸してから外に出るまでの時間の効率も重要。大興の出来に期待します。