福岡の合戦
メルチャリが2月27日から福岡でサービスを開始した。cogicogiがいくつか福岡市内のポートを持っていたことに続き、福岡にもシェアバイクの動きが続く。
昨日(3月8日)にはアパマンの参入の正式リリースとともに(先行してCMは流れていたが、誰と組むか単独なのかなどは「公式には」出ていなかった)、今日は福岡市の公募提出締切日。この手前で大磯でmobikeが展開を出しつつも、LINE×mobikeも福岡ということで出してくるだろう流れは、福岡大激戦の様相が見え始めている。最初の山場である。
mobike
mobikeは日本に持ってきている車両が1世代前のシャフトのため、まだ重量感がある。この後に出た3世代めのシャフト(家本は、それをバスケットとシャフトカバーが両方ともオレンジなので「オレンジオレンジ」と勝手に名づけている)でだいぶ軽くなったが、もうそろそろ本家中国で出てから1年経とうしている自転車なので、ユーザ体験からすれば最新車両をみたいところ。この後、投入台数を従来より引き上げた計画を考えておられるようなので期待したい。
ofo
東京と大阪だといって昨秋に始まる予定だったofoは、その東京大阪の展開は見当たらず、近畿方面からは少なくとも2ヶ所で話が聞こえてくる。一つは記事が出たがなぜかofoと書かれておらず、琵琶湖近くのもう一つの都市でも準備が進む。ofoの自転車が日本に上陸した際、都内と大阪の倉庫に自転車が集まっているのをアプリから発見してしまい(!)、大雨の中、東京は若洲公園近くの倉庫まで都バスにのって探しに行ったが結局見つからなかったというどうでもいい思い出。代々木公園のチャイナフェスティバルで実車に出会いに行ったが、中国で展開しているofoの車両とはそもそもベースが違い、期待している(内装三段)。
ドコモバイクシェアのアプリは残念ながらずっと使いにくく(実質的にアプリを使わせるのではなくてブラウザだったが)、先日のアップデートで初めてネイティブになってきた。が、まだアプリ画面での情報が多いと感じる。日本のユーザにあまねくとやるとこうなるのだろうか、自転車を借りたい探したいというニーズに直感的でも嫌われることはないように感じる。
中国の様相
一方、中国では、mobikeとofoの二強という流れは大きく変わらないものの、bluegogoとofoがdidiを入口とする導線に囲われ、そこにHellobikeがどういう勝ち目と算段なのかは素人目には分からない戦いを再度仕掛けてきており旧正月明けも引き続き自転車工場の稼動は高い。
ただHellobikeは都市部・中心部のエリアへの配置は難しそう。配置制限数をクリアできるほど魅力的な場所もさほど見当たらず、このまま周辺部で大量投下がしばらく続くのではないだろうか。
ずっと追いかけている電動車領域も混沌としてきた。mebikeはofoと提携し、mebike自体も自転車を出してきた。7号電単車も自転車型の電動車だけできていたが助力車(電動アシスト)を出してきた。mangoが意外と踏ん張っている。電動車自体の規制が舵が切られはじめているところで、どこに向かうのだろうか。
mobikeは年明けに電動アシストを実験的に出してきた。まだ乗りにいけていないのが残念。年末から出してきている新型車両(チェーン。塗装の新しい方)、軽くてよいのだが、既にトラブルがまま見られるようになってきている。もっとも多いのがチェーンのトラブル。ofoは、この冬に新車種の投入がベルトドライブの車両を除けば無かったのだが、特にチェーンとブレーキのトラブルが目立つ。投下した自転車をどのようにメンテナンスするかの仕組みが回っていないように感じられ、そろそろ初期に投下した自転車は限界。日本からお連れする方たちには出来るだけよい体験をしていただこうと、まず私が自転車を選んで「これにぜひ乗ってください」とお勧めするようにしているが、ヘタっている自転車にあたってしまうと「中国の自転車だめじゃん」という悪い印象だけが残ってしまう。
所有と共有の違いを自転車でも
アメリカのMotivateをずっと研究している中で、やはり所有と共有の自転車は根本的に違う発想を持つ必要があると感じている。
個人的にTSINOVAを先日買い、一昨日は700BIKEをオーダーしてみた。700BIKEは完全に通信機能がフレームに組み込まれているし、TSINOVAもアプリとの通信が前提の自転車。これはこれで「所有」を目的とした自転車だが、発想は参考になる。
市販車をベースにするのではなく、シェアするための自転車、使いたくなる自転車、乗りたくなる自転車をシェアバイク用に作る。こういうことを考えてみたい。