ルイジアナ州ニューオーリンズ。ここにもSocial Bicycles(SoBi)のシステムを導入したシェアバイクが展開されている。その水色の自転車はBLUE Bikes。5月上旬なのに気温は30度近く、湿度も相当高いこの街で、自転車に乗ってみた。
初のルイジアナ、ニューオーリンズ
Nutanix のカンファレンス「.NEXT」が開かれるのにあわせて初めて飛んできた。テキサスまではあってもルイジアナまで来るは初めて。「ノラ」と皆が言うのを聞いて何だろうと不思議だったのだが、それはNOLAで、これはNew Orleans, Louisianaの略だとわかった。
予めニューオーリンズのことをきちんと調べずに来てしまい、ジャズの街であること、カトリーナの被害が凄かったということ、ミシシッピ川が流れていること、ぐらいしか事前の知識がなく、きてみたら外は暑い暑い...。
街は広いが観光客がまわる場所は比較的コンパクトで、歩けば30分の幅に収まるぐらい。ここに路面電車が走り、24時間で3ドルという観光に向くパスがある。が、しかしだ。暑かろうかが路面電車があろうが、私はまず自転車に乗るのである。カンファレンスが今朝の8時からあるので、早めにホテルを出て会場までを自転車で移動してみた。
自転車はSoBiベースだが、まだ真新しい
見ていただくとお分かりいただけるとおり、先に書いたポートランドのBIKETOWNの自転車とコンセプトは近い。(フレームのデザインは違うが、サイズやデザインの考え方は似ている)
ただ、細かなところで違いがあるので整理してみると、
- タイヤは26×2.0で50-559。つまり結構太め。ブロックパターンは浅めだからゴツゴツ感はないが、太さでいえばMTBで使われるぐらい。これは乗ってみてわかったが、ニューオーリンズの街は石畳になっている場所や道路の段差がままある。この太さを選んでいる意味がありそう。
- 内装3段でシマノのInter-3。
- シフターはSturmey-ArcherのC30 Rotary(TSC30)。日本ではなかなか見ない。
- ブレーキレバーが、グリップエンド(にぎりの端)ではなくシフター側を握るタイプ。これはどこのメーカーだろう。Sturmey-Archerだろうか(Webには製品としては載っていない)。実際乗ってみると、意外にもこれもいい。握りやすい。
- にぎり部分は安めのラバーで、これはひょっとするとひと夏かふた夏ぐらいで劣化してべたべたになりそう。
- 巻き込み防止のドレスガード
- チェーンガードにはルイジアナの名所が描かれたデザイン
- バスケットサイズはやや小さめ。
と、こんな感じである。
またHubのラックのデザインの中に、タイヤを支えやすいものを発見した。全てがこれではなかったが、横で支えるだけではないためこれは置きやすい。
ニューオーリンズの市街地はほぼフラット。海抜がマイナス2メートルぐらいから高くても数メートル(だからこそカトリーナで大変だったわけだ)。三段変速で困ることはまったくない。
Blue Cross Blue Shield
ニューオーリンズのBLUE Bikesは、ルイジアナに本部を置くBlue Cross and Blue Shield of Louisiana(BCBSLA)がスポンサードしている。ブルークロス・ブルーシールドのルイジアナの組織だ。(Blue Cross, Blue Shieldについて詳しく書くとアメリカの医療保険と病院の話になってしまうのでここでは省略!)
そこにややこしい話が出てきたのが、同じくボストンのHubwayが、来年までに自転車を青色に変えること。これを運営受託しているmotivateが新しいサービス名を「Blue Bikes」と呼んでいる。
こちらもマサチューセッツ州の Blue Cross Blue Shield of Massachusettsがスポンサーになることによる。2011年からHubwayがサポートしてきたが、どうもここでスイッチするようだ。Blue Bikesになることで2019年末までに1,000台以上の自転車をさらに投下し、合計3,000台の青い自転車が街に投下される予定と聞く。こちらは水色ではなくいわゆる「青色」が出てくるという。
整備中の場面に出会う
カンファレンスのあとのディナーに向かうためにホテルへ移動している途中、公園に自転車が並ぶ様子に出くわした。あれ、ここにはHubはないぞと思い近づいていくと、整備している。
スタッフTシャツをきている女性に話を聞くと、毎日巡回して整備しているそうだ。昨秋からのサービス開始以来700台近くを投下したという。
様子を見ていると、一通り点検して注油、空気を入れるなどしたあと、きちんと乗って確認している。丁寧だ。むしろこうして自転車を青空の下で点検整備している様子が見えるのはユーザーへの安心と認知のためにも素晴らしい。