7月1日付けで日本証券業協会の金融・証券教育支援委員会における公益委員にご指名いただきました。
日本証券業協会は、全国の証券会社を構成員として組織されており、主に自主規制業務を行う機関として知られています。証券市場の公平性・透明性の向上は一つの重要な課題として認識されていますし、これに係る様々な取り組みをされています。一方で、個人投資家が増加する中で「金融経済教育の拡充・推進」という課題についても取り組みについても重視されてきており、理事会の下に組織される3つの委員会のうちの一つとして「金融・証券教育支援委員会」があります。
また、日本証券業協会が続けている大きなイベントの一つには10月4日の「投資の日」があり、特に投資未経験者・若年層の社会人に対しても広く啓蒙していく必要性を打ち出されています(参考:日本証券業協会「当面の課題」)。
私たちの世代は、仕事のみならず何かと金融知識の必要性に触れることが増える時期でもあります。投資に関する広告がインターネットやモバイルでも増え、また口座開設から取引までのほぼ全ての手続きをPCやスマートフォンでできるようになり、確実に便利になりました(少なくとも周囲では証券会社の店頭には行ったことがある人は極めて稀ですし、書類提出もスマートフォンのカメラで終わるケースも増え、手続きに関するハードルは確実に下がったと考えています)。
一方でインターネット上の様々な投資に関する情報の中には、自身が一定のリテラシーを持たなければならないものも多く含まれます。広告露出が多ければ安心できる・安全であるという意識になりやすい側面もまた個人投資家の一部にはありますが、そもそもリスクとリターンの関係について最低限抑えるべき点について、今までの日本での取り組みだけでなく、諸外国の取り組みからも学ぶ点があるはずです。その中では「金儲けの手法を教える」というような意味ではなく、社会の変化によって投資という行動がより日常的な接点を持ちやすくなってきたからこその一定の金融経済教育について、若いタイミングから進めていく必要性が考えられています。
今まで、教育分野においては、中央教育審議会の教育振興基本計画部会や、文部科学省の学びのイノベーション推進協議会に関わらせていただいてきました。ぜひ広い視野をもってこの課題を考えていきたいと思っています。