内閣府からワークライフバランスに関して制作されたビデオを送っていただきました。男女共同参画局が作られたもので、私も含めて当社の社員が色々とインタビューに答えさせていただいています。こうした広報活動はとても大切で、特に各省庁が取り組むのではなく内閣府がこうして取りまとめて動くということには私は前向きな印象です。ぜひとももっとも頑張ってほしいし、内閣府が各省庁の動きをもっと連携させてガンガン進めてほしいところです。
ただ、やはり継続的な取り組み自体は必ず欠かせなくて、政策自体の継続性と一貫性、そしてバランスがまだ不足しているように思います。たとえば最近のワークライフバランスに対する取り組みや超高齢化社会に対する対応の陰で障害者政策はどこかおかしくなっているような気がするし、ファミリーフレンドリーだったのがワークライフバランスだと言い始めると、ワークライフバランスは育児支援なのかと勘違いされてしまうし、なんだかちょっと「いつもの日本の政策のパターン」に見えてきます。僕はあえて言いますが、政府はじめ各省庁や地方自治体は、言ったからにはここから20年はせめてワークライフバランスだといい続けてほしい。再来年ぐらいになって別のメッセージを伝えていようもんならば、一つずつその一貫性の無さを指摘してやらなければならないと思います。
また最近の論調の中には短期的に結論を得ようしているものもチラホラと見られていて、その中でも女性の就労率が上がるのと出生率を上げることについてその両方求められる方法は無いか、などという安易な検討がなされていたところを見たときには、何を短いスパンで見ているのだと残念にも思いました。確かに日本では女性の就労率の高まりと出生率の低下は負の相関関係であらわされているかもしれないけれど、数年やそこらで企業文化や社会文化は変化しないし、生活習慣の変化は10年単位ということを考えると、まさにワークライフバランスはここから21世紀の最初の四半世紀を使って取り組んでいくべき方向性です。
僕自身は広い意味で外国人政策とワークライフバランスに関連性があると見ていてそれを自分たちの会社で実証してきているのと、ワークライフバランスは中小企業でロールモデルを出し続けないと根付かないと考えています。ただ、率直に言って自分たちがロールモデルになると周囲に言うことにはまだ色々な抵抗がありますし、真似していただけるほど立派な結果も出ていません。でも、取り組みを進めている一つのケースとなることには誇りを感じています。
ワークライフバランスが、一時(いっとき)の流行り言葉にならないように。中小企業でのワークライフバランスを考える会などを作って、もっともっと情報交換やケースの紹介をし合っていきたいとも思っています。