この正月に読んだ本を忘れないように書いておきます。これからはこの blog にメモさせてもらいます。そもそも私は書店で何も考えずに(しかし金券ショップで買った図書カードの残高の範囲で)本を買うのであまり普段から一貫性のある読み方はしていませんからあまり参考にはならないかもしれませんが、こういう企業の経営をするときに何を読んでいるかということをたまにお聞きいただくときもあるのでご参考までに。ちなみに読書の方法は「書かないと忘れるから大切なことはメモをとる」、「必要なところはページを折る」、「赤線引きまくり」です。
「血と骨」(梁石日,幻冬舎文庫)の上下巻を共に。ちょっと古いけれど「吉野家の経済学」(日経ビジネス人文庫)。これまた古いですが、サービス業の原点としてよくケーススタディで出てくるのでノードストロームウェイ(日経ビジネス人文庫)。そして最後に極めつけでちょっと重たかったのが「ビジョナリー・カンパニー 2」(ジェームズ・C. コリンズ)。
血と骨はこの冬に映画化もされましたが、1930年頃の在日の世界を描いた強烈な小説です。難しい人たちは、在日文学が変わった、解かれた、という解説をされていますが、そもそも読んでいる量が少ない私にはわかりません。しかし個人的には、細かいところで、こういうことを書ける時代に自分たちが生きていることの凄さを色々な意味で感じます。
吉野家の経済学は前から読んでみたくて買っておいた本。牛肉輸入停止の話よりももちろん前の本ですが、そういうリスクがあることが触れられていて興味深いです。牛肉輸入停止のときにはフューチャーキッズの鶴谷さんに声をかけていただいて、日経の一面広告で「吉野家頑張れ」の広告を出させてもらったこともありました。もちろん吉野家大好きです。
ノードストローム・ウェイは、そもそもノードストローム自体が多くのケーススタディで取り上げられていて、サービスの基本は何かということを考える上で一度触れてみたかったのです。ノードストロームを知る上での入門書ですが、さらに詳しい論文をいくつかあたってみたくなりました。うちの会社のサービスの中にも取り入れたいところがたくさんあります。在庫のところなんかはかなり参考になりました。
ビジョナリー・カンパニー2は、読むとまずわくわくします。さぁ何か自分の会社に活かせることはないか、このアイデアはうちの会社に使えないだろうか、ああこれはすぐに実行したいぞ、といてもたってもいられなくなります。これを読んですぐに自分の会社を題材にして色々な改善ができるフィールドが与えられていると、この本はただのメソッドではなく、左手で意識を高め(即ちこの本を持って)、右手にペン(まぁPCのキーボードですが)という具合で脳が直接働きます。それは前著のビジョナリー・カンパニーもそうだし、あるいはトム・ピーターズのエクセレントカンパニーもそうかもしれません。
そもそも、自分が創業7年めにして経営の真の面白さを知ったのはこれら2冊を読んだところによる部分が大きくて、特にこの一年はここを軸に読み物のスポークも拡がっています。